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PH4.4-7

Farewell, Aloha

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アロハ航空が倒産した。

会社幹部にはかなり前から分かっていたことなのだろうが、下層従業員も含め一般市民には寝耳に水であった。ここらの動きがどんなに急だったかというと、先週木曜日に「来週火曜日以降のフライトはすべて永久にキャンセルします」という通知が出て(ワタシは金曜日の朝刊で知った)、なんとそれでおしまい。従業員は週が明けたら仕事がない、チケット持ちの乗客には一切連絡もなく、週明けに空港へ行ったらカウンターがロープで閉鎖されており張り紙があってそれで初めて事情を知った人がほとんどだったらしい。

新聞には迷惑をこうむった乗客の話しか載ってなかったが、休暇がまるつぶれ・フライト&ホテル料金パア・帰りのチケットがとれないどうやって家に帰るんだ、等々、こういっちゃあなんだが損と迷惑だけ(確かに大損と大迷惑ではあるが)。心が痛むのは来週からどうやって食っていくんだという環境にいきなり落とし込まれた従業員たちのことである。

本土側にも地上勤務の従業員はいくらかいたが、今回職を失くした二千人ほどの大半はハワイの住人である。海に囲まれた狭い土地、仕事の数は限られている。夫婦そろって同じ会社に勤めているような家庭はこういうとき真っ青であろう。

しかもひとり職を失くすと影響を受けるのはその人とその家族だけではない。我々が今住んでいる市に本社をおくふたつの大手会社が去年大幅に人事整理をしたのだが、これらの会社の従業員が主な客層である近くのレストランやショップは売り上げが急激に減ってパニック状態であった。そしてこういう店の売り上げが落ちると、その店を相手に商売をする会社に影響が出るのだ。ドミノ効果である。ハワイでも今、同じ将来が心配されている。アロハ航空の閉鎖の影響で本土-ハワイ間の航空運賃の値上がりがすでに予想されているが、それが理由でハワイに来る観光客が減ればホテル業界が被害を受ける。ホテルの従業員解雇なんていうことにもなりかねない。それにホテルの客数が減れば観光客相手を商売にしている人はみんな被害を受けるのだ。

損もせず迷惑も被らなかったワタシだが、昔からなぜかハワイアンエアよりアロハ航空の方が贔屓だったので、このニュースはとても悲しいものであった。もちろんハワイアンエアが倒産しても嘆いだろうけれど。アロハのパイロットである知人がふたりいるが、そうそう簡単に見つかる職ではない。どうしているのだろうか。オンラインでハワイの新聞の記事を読んでいたら涙がにじんできた。

日曜日のLA TimesのTravelセクションがハワイの特集をしていたのがあまりにも皮肉であった。変わっていくハワイ、パラダイスではないハワイ。

さらばアロハ。
by cocopuff1212 | 2008-04-11 00:11