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PH4.4-7

リヨン旧市街探索

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少し前に、「一週間にひとつは何か新しいことをするか、どこかへ写真を撮るだけの目的で出かけることにしよう」と決めた。下手をすると家事と食料の買出しとインターネットサーフィンと夕方ムスコを学校へ迎えに行くだけであっという間に時間が経ってしまうので、気が付いたら三年間の赴任期間が終わってた...なんてことのないように、自分を引き締めるつもりで考えたことである。

「新しいこと」の定義はフレキシブルに考えることにしたので、例えばまだうちにお呼びしたことのないお客様を招待する、なんてのも含まれる。ちょっと覚えたフランス語の表現をフランスの人相手に使ってみるというのももちろん入っている。で、もうひとつの選択肢が「写真のための外出」なのは、「新しいこと」のネタがすぐつきてしまいそうな気がしたから。

大変よろしい思いつき・心がけであるとは自分でも思うのだが、忘れてしまう週もある。そういう時は何も達成することなく一週間過ぎてしまった気がするようになった。



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ここのところ雨降りが続いていて写真を撮りに出かけるのがちょっと難しかったのだけれど、先日早朝から降っていた霧雨が止んだ午前九時過ぎ、ええい!とカメラを持って外に出ることにした。行き先はリヨン旧市街。ここを独りで好きなように歩いてみたかったのだ。

地図つきの自己ガイドツアーのウェブページを見つけたので、それをプリントアウトして持参。ここに書かれているルートに沿って歩いていたら、他にも同じことをやってる人を何人か見た。お店のウィンドウや建築様式などを観ながらぶらぶら歩くのがうれしい、とても素敵な区域なのである。


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このあたり、トラブールと言われる、建物の中や建物と建物の間をつなぐように通っている通路が沢山ある。フランス国内にはそこここにあるらしいが、リヨンで商人達が商品の移動に使ったのが始まりで、トラブールというとリヨンということになっているらしい。


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「トラブール」と日本語でグーグルすると、「抜け道」「迷宮」などの言葉で描写されている。見た目はなんていうことはない通路が多いが、通っていると建物と建物の間にいきなり出てくる中庭がとても素敵だったり、古~い井戸があったり。通路自体は幅が狭く天井も低くて、長いものは薄暗いことが多い。その中を抜けるように歩いていると、探検家にでもなったような気分がしてなんだかわくわくする。それよりなにより、この通路を何百年も前絹職人達が通っていたんだなあ、その同じ石畳を今自分が歩いているんだなあと思うときの感動。簡単に「歴史」と言うけれど、変わらないものが多い場所、古いものが大切に保存されている場所に自分と言う人間のひとときを刻めるのは、名誉であると思う。

この気分、京都の町屋が並ぶあたりの狭い路地を歩いている時の感覚によく似ている。フランスもリヨンも長いというHさんが「リヨンはねえ、日本でいうと京都なのよ」とおっしゃっていたのが理解できる。


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この自己ガイドツアー、出発点まではメトロを乗り継いで行ったが、ツアーの終点がうちまで結構簡単に歩いて帰れる距離であった。カメラを仕舞っているとタイミングよく雨が降り出す。所要時間は二時間程度と書かれているが、まったくその通りで終点に着いたのがちょうどお昼ごろ。その辺でカフェに入ることもできたが、混んでいるところが多かったし自宅でゆっくり熱いコーヒー…という気分だったので、傘をさして足早に帰宅。


これからますます寒くなるだろうが、写真を撮るという目的があれば、外出しようと言う気になる(と思いたい)。



次はどこへ行こう。

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by cocopuff1212 | 2009-11-15 20:54